残された男3人での話。
「まあ君は歴としたブリタニア人だし。さらにヴァインベルグ家の人間だし。騎士と言うものがどういうものであるかは重々承知の上での立候補なんだろうねぇ。どこかの誰かさんと違って」
「ぐっ」
ロイドの抉るような一言に胸を押さえたのはスザクで、ジノは瞬き。
「そうか、君もルルーシュ殿下の騎士になりたいのか」
「……彼女を守りたいと思って、何かいけないかい?」
「いいや。いけなくはないな。殿下を守りたいと心から思う人間が1人でも増えることは心強いことだ」
だが。
「ルルーシュ殿下の騎士には私がなる」
「ッ!!」
宣戦布告のつもりか。驚愕と衝動。ジノの浮かべる笑みは余裕だ。
「これで怯むような相手に任せられるわけないし、負けられる筈がないだろう?」
「………なるほど」
*** ***
「……君は、その、ルルーシュと結婚したいとは思わないのか?」
「それは、ルルーシュ様を好きか、という質問かな?」
「ああ」
「ならば答えはイエスだ。けれど、婚姻を結びたいか否かと聞かれれば答えはノー。私はあの方の騎士になりたい。何者よりもあの方のお側に仕え、あの方の信頼を得、あの方に命を捧げる。それは騎士の役割だ」
「それが僕には理解できない。本当に好きなら、他の男が常に彼女の側に居ることは嫌だろうし、命を賭けて守りたいとも思うだろう」
「つまり騎士と伴侶がイコールにならないことがスザクは不可解だと」
「………そうだ」
言葉にすれば天と地の差もありそうなものだ。けれど本質は同じ筈。少なくともスザクにとって、根底は同じものだと思えてならない。
愛おしむから守りたい。
ジノは、ふむ、と顎を撫でた。考える素振り。
「なるほど。一理はあるし、日本人であるスザクのことを少し見直した、と言うよりも、羨ましくもあるな」
「は?」
「私もルルーシュ様に焦がれている。私はあの方の矜持に一目惚れをした。あの方は私にとって、最初から皇女殿下であられた。不敬ながら例えルルーシュ様が皇子殿下…男であっても、それは変わらなかっただろう。騎士にとって主は不可侵な存在だ。触れたいと思うならば、騎士でいるべきでないと、私は思っている」
「……やっぱり僕には理解できそうにないよ」
「理解する必要はない。私とて古い慣わしのようなものが身に染み着いていると思うこともあるさ」
だが、と、ジノは続けた。
「ルルーシュ様もまた、ブリタニアの皇統に連なる御方であることは覚えておいた方がいい」
学園パラレル、番外・宣戦布告編。
「………ところで、君、僕よりひとつ年下なんだろう?」
「? それが何か?」
「………………………何でもない」
言葉遣いがなってない。
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きな子/10.05.05